記事の詳細
【本音論】努力不足なのは施主じゃなかった

10年前、このみえスマの前身であるEハウジング倶楽部のそのまた前、
個人でお家紹介サイトを作っていた時にいただいた数通のメール。
「もっと早く、こんな設計士や工務店がいることを知りたかった」
そのメールを受けて、まだまだインターネットユーザーの少なかった
WEB上だけではなく、実際の活動にするために市民活動団体を立ち上げました。
その時に感じていたのは
「施主さんたちにもっと勉強して欲しい」
と言うものでした。
と言っても、勉強する場がありません。そこで、お家見学会や勉強会、座談会を開催していたのです。
でもね、その思いが変わる時期がやってきます。
WEB業界で仕事を始めた私は、建築業以外のたくさんの業種の方々とお会いし、
経営やマーケティングに関する知識を習得させていただくことになってきます。
大きい企業から小さな会社まで。
そこで見たもの。
それは、厳しいビジネスの現実に立ち向かうために、必死に学び考え、行動する人々の姿でした。
そんな人たちの姿を見て思ったのは、
住宅産業に関わるプロ側の努力が明らかに足りない。
そんな思いでした。
住宅産業は地域に根差していますので、営業エリアも狭く、他の産業からの参入も少ない。
※今は少し変わったでしょうか。
建てた人からの情報も少ないために、世に流れる情報は操作された情報がほとんど。
PRの仕方や、売れる商品さえ扱えば売れるのです。
次々出る新しい素材や建材は何のために作られ、誰が利益を得るのでしょう?
もちろん地球環境を良くするため、建物の寿命を長くするため、
今まで不可能だったことが可能になるものもあります。
ですが、「売れる」商品や建材が作られていますし、
それを採用する側の意図も同じように感じる部分があります。
プロとして、本当に自分がそれがいいと思っているのか?
プロとして、今建てている家が最高だと思っているのか?
よりいい家は無いのか?よりいい素材は無いのか?
そう考えているプロが、他の業種に比べて少ないのではないか?そう感じたのです。
逆に、堅実にいいものを作っているプロは口コミで仕事がきちんと継続的にあり、
宣伝をする必要性が無いため、知られる機会が少ない。
本当にいいプロを探している人が、そこに行きつけないのです。
なので、言って回りました。
「営業をする必要の無いプロこそ、自分のお金を使ってでもPRをしてください。
知りたがっている人がいる。その人のためにお金を使ってください。
それもプロの役目だと思います」と。
「プロが考えるいい家とは?」
「プロが考える豊かな暮らし方とは?」
家づくりのプロとは、家を設計したり、建てたりするだけではなく、
その考えや暮らし方をきちんと見せる存在であって欲しいと願っています。