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【BOOK】「職人を泣かせて建てた三〇〇年住める家」★★★★☆

ご存知、経済ジャーナリストの萩原博子さんの
書かれた本です。
えっ?知りませんか?
「お財布救助隊」とか、
「家計診断」なんかで
よくテレビに出演している方です。
その荻原さんが
理想の住まいづくりに
紆余曲折・・・いやいや、七転八倒する様子が
書かれた本でした。
荻原さんが、自分の家を持ったのは
3件目。(~o~)
一軒目は、外観に引かれて衝動買いしたテラスハウス(長屋のようにつながっている物件)。
二軒目は、土地面積と部屋数を重視した中古物件。
どちらも様々な問題から長居できず、
今回の「理想の住宅」を造ることになったのです。
「今度の家のコンセプトは、丈夫で長持ち、心地いい家」
を目指し、木造の伝統構法で造ることになるのですが
使うのは「暴れん坊の栗」
のちのち、「栗」を選択したことで
職人さんを泣かせ、予算もはるかにオーバーし、
自分たちも泣くことになるのです。
とても印象に残ったのは、
「なによりもみなが望んでいるのは、苦労をしないで家を手に入れることで、その要求を、今の住宅メーカーは確実に満たしてくれていることだ。
お金さえ出せば、冷蔵庫がカタログで注文できて、届いたその日からアイスクリームが食べられるような、そんな快適さで、住宅メーカーはマイホームを届けてくれる。
~中略~
施主が、背広やハイヒールで現場を見に来られるのも、すべてを住宅メーカーが請け負っているからだ。それだけ、至れり尽くせりなのだから、そのぶん、利益が上乗せされていても文句は言えないだろう。
~中略~
料金を明瞭にしたいなら、住宅メーカーを頼らずに、自分で家を建ててみることだ。」
なんとも、腑に落ちる一言でした!!!
簡単に!わかりやすく!なんでもお任せ!で出来るから
住宅メーカーの家は割高なんですよね。
言われれば当たり前の話なんです。
安くしようとするなら、自分がその働かなきゃいけない。
こんなに苦労して、職人さんを身近に見ていた荻原さん。
「そう、最後に、私たちには、予想以上に大きく膨れ上がってしまった借金が残った。
けれど、それも、私たちのために苦労してくれた職人一人ひとりの顔を見ていると、すべて帳消しになる気がした。」
本来、家を建てるとはこういうことなんだ!と実感した一冊でした。
「職人を泣かせて建てた三〇〇年住める家」
荻原 博子【著】
角川書店【出版】
571円【価格】
2001/2【発行】