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今回は浴室のこと。
そろそろ、ユニットバス(UB)から抜け出しませんか?

戸建て住宅におけるUBの地位は揺るぎない。
汚れを知らないクリアな壁、水滴を残さない床設計、
本物の石と見間違うような床材、抜けた髪を一モウ打尽にする排水口、
きらり輝くお洒落なカラン、天井埋め込みのシャワー、
ゆるくカーブした天井と間接照明など。
施工性よし、コストパフォーマンスよし、バリエーション多数。
さらに、その地位に甘んじることなく今でも進化し続けている。
浴室を作り日常に使い続ける上で、UBは比の打ちどころがない。

しかし、私はUBが好きではない。
その理由を今回真剣に考えてみた。

第一の理由は何といっても閉じ込められた感があること。
あの一分の隙も無い工業製品の中にいると、
食器洗浄機で洗われている茶碗のような気分になり、・・息苦しい・・。

他の理由は?
あまりに設計、施工、コスパ共便利すぎて浴室のあり方を考えなくなった。
それが設計するのにとてつもなく退屈なのだ。
プランニングは1坪から1.5坪の場所を空けておくだけ。
図面には その場所に UB1616 と書いておく。
これでは、UBは進化しても浴室の進化はない。
これでいいのか、日本の浴室。

浴室の現場施工。
昔と違って、十分な換気設備があるから湿気対策は簡単。
天井はバスリブ天井などでシールして、
壁、床はFRP防水があるから
下地さえ計算して丁寧に作れば問題なし。
排水も普通に接続配管すれば、
床下に水がこぼれることもなく湿気もない。
断熱材を使えば保温力も期待できる。
浴室自体の施工は、在来工法の時代とは違って
造りも見た目も軽くなっている。

nakano

例えば、6~8帖の防水スペースがあったなら、
思い切って真ん中に猫脚のバスタブを置いてみる。
空いたスペースに洗い場、シャワーブース、洋便器。
シンク、大型の鏡、化粧台、洗髪台、サウナブース。
長椅子置いたり、ワゴン置いたり、書棚つけたり、
筋トレマシンやマッサージ椅子、ドリンクバー。
金魚、熱帯魚、観葉植物、熱帯植物、
カブトムシ、ゾウ亀、イグアナ、オウムとか。
丸くカーテンで仕切るのもよし、カラフルな縦ブラインドでも、
デザインスクリーンで目隠ししてもいいでしょう。

浴室とテラスを一体化して考えるのも素敵。
掃き出し窓つけて露天風呂風。
ウッドデッキとつなげてアウトドア風。
ヒノキの浴槽も魅力。
埋め込み型ではなく置き型にすれば取り換えも簡単。

浴室、トイレ、洗面室。
少しだけ広くして使い方を見直すと、+αの何かが付随する。
カスタマイズすると、入浴も好みの味になる。
既製品のUBにはない味。

私がUBを好まない理由、
味わいがないって事だ。
新築、リフォームの予定のある方、
UBではない浴室を自分たちで進化させて、
味わってみてはいかが?

では、また。

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