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【何でも質問箱】長期優良住宅ってメリットあるの?

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【相談メール】
そろそろ家を建てようと近くで開催された見学会に行ってみたら 工事費を2割アップしてでも建てるメリットはあるのでしょうか?
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【プロの方からの回答】
- ハウスプロダクト タケモリ 竹森さん
掛け算をするベースの建物金額及び当初の建物スペックが不明の為,
何を根拠に2割アップとなっているのか分からないので書きにくかったりしますが。。。
長期優良住宅は,これはもう考え方しだいだと思います。
コストは上がります。
これは申請書類をご覧頂いたら理解頂けるのではないかと思うのですが,通常の建築確認申請書と比べると相当数増えます。
そのための申請費・設計料が必要になります。
また,建物のスペックもどこがベースになっているかによりますが,アップする可能性のほうが高いかと思います。
ただ,費用が闇雲に上がると言う事ではなく,それ相応の内容となること,
今だからこそ,補助金を使って自分の家が良く出きるということもメリットとして大きいのですが,
個人的には,定期的なメンテナンスが義務付けられる事が大きいかと思います。
と言いますのも,メンテナンスフリーなものというのは実際ないのですが,
それに近い感覚で住宅をお考えの方もいらっしゃり(これは業者が良くない部分もありますが。。。),
最初から施主様側に長期的な視点で住宅を捉えて頂けることができるということが大きいと思います。
どういうことかと言いますと,きちんとしたメンテナンスをする前提で,当初それなりのスペックで建てれば,
その建築時のコストは大変でも,その家を子孫まで受け継いでいけるモノとしてきちんと残せる可能性が上がるからです。
逆に言うと,今が安いからと言って,何代にも渡って30年も持たない家を建て続けることと実際どちらが経済合理性があるかということになるのではないでしょうか?
モチロンそれはそれで(所謂ローコストのみを追求したような家という意味),クライアント様それそれの哲学もあろうと思いますので一概には良し悪しは言えないですが。
話がそれ気味かもしれませんが,今回の長期優良住宅の件は,個人的には悪くない施策ではないと思っております。
但し,全てのクライアント様にお勧めしているわけではない事も付け加えておきますが。。。
どうしてか?
それにはそれできちんとした理由があります。
ここには書きませんが。
-
アビエントホーム桑名 伊藤さん
2割アップって・・・
本体1600万円だとすると、320万円ですか?あながちうそではないでしょうが、
本体1600万円だとすると、320万円ですか?あながちうそではないでしょうが、
この金額はその建築業者の得意とする元々の仕様にもよると思います。
実際、私が今建築中の物件(7月末から公開予定)は長期優良住宅基準+耐震等級でプラス1の3等級と取ったお家ですが、
実際、私が今建築中の物件(7月末から公開予定)は長期優良住宅基準+耐震等級でプラス1の3等級と取ったお家ですが、
構造材の材質変更や壁量の増加など(1階の外回りの柱を檜にするなど)で約10万円程度のアップで済んでいます。
元々断熱性能や気密性能を高めて構造もしっかり考えている設計なので、
元々断熱性能や気密性能を高めて構造もしっかり考えている設計なので、
あまり大きな変更無しに対応できたのがこの価格に影響していると思います。
が・・・
もう一つ大きなお金がかかることがあります。
それは申請に係る事務的な諸費用です。
私は申請業務は提携先の設計士さんにお願いしていますが、温熱環境計算や構造計算など結構煩雑のようです。
もう一つ大きなお金がかかることがあります。
それは申請に係る事務的な諸費用です。
私は申請業務は提携先の設計士さんにお願いしていますが、温熱環境計算や構造計算など結構煩雑のようです。
この部分で認定機関の事前審査費用も含めて30万円~40万円かかります。
この認定機関が、建設官僚の天下り先だったりもするので「ん?ばらまき?」っとなってしまう方もおられるかもしれませんが、
工事履歴情報を残すなど、家を長期にわたり守っていくにはいい制度だと思います!
ということで、10万円+40万円で約50万円の費用アップ。
補助金が100万円で差し引き50万円。
住宅エコポイントよりかは若干お得でしょうかね?
住宅ローン控除など税制面でのメリットは、その方の所得水準にもよりますが、
一般の住宅と変わらない場合もありますので、基本一般住宅との差はあまり無いと考えた方が良いのかと・・・
あとは、フラット35Sなどの優良住宅取得に係るローンの金利優遇が大きいのかもしれません。
-
タマケンホーム 玉村さん
長期優良住宅の仕様は、お調べになってご存じかと思いますので、
簡単に述べさせて頂きますと、まず、大きく4つの性能(等級)をクリアしなければいけません。
①耐久性②断熱性③耐震性④維持管理ですね。
①は木造の場合、木材を耐久性のある材にする。
②は断熱材やアルミサッシの性能を上げる。
③は地震に対して強い建物にする。(耐震等級2)
④は耐用年数の少ない内装や設備などの維持・管理・点検の容易性です。
当然これらの性能を良くする訳ですから必然と工事費は高くなります。お金が必要以上に
掛かるから国は優遇処置を取っている訳ですね。名目上。。。
また、これらの性能の評価を建築確認申請以外に審査しなければなりません。
(設計審査は通常よりも掛かります)
長期優良住宅の一般的なメリットとして
①の耐久性でお子さんお孫さんの代まで大丈夫と言われています。
②の断熱性能では、冷暖房機の光熱費が節約できると言われています。
③の耐震等級2は建築基準法上の25%増しの地震力で設計する為、強い建物になり、地震に対して比較的安心ですね。
(①④は当然の性能の様な気がします。)
2割アップの工事費を掛けてメリットがあるのかと、お尋ねですが、これは各社標準仕様や
考え方の違いがあるでしょうから、2割アップ以上する会社や、全くアップしない
(長期優良住宅が標準仕様)会社だってあるでしょう。
私は、ご質問者がお家の性能に上記全てが必要かどうか、ご予算と折り合いが付くかどうかで
判断された方が良ろしいかと思います。
人が勧めるのではなく(儲かるから勧めるって言うのもありますから慎重に)、ご自身のお考えで。
住宅ローン控除は一般と比べ最大で100万円の差。
でも一般的な年収の方だと、所得税(住民税)の控除額は大して変わらない気もします。
そう、そこにメリットは余り見いだせませんね。年収の多い方はお得ですね。
最後に個人的な意見ですが、長期優良住宅が快適で良い家とは限りません。
快適な家は自分達家族に合った間取りと良い家族関係だと思います。
性能ばかりが良くてもね。それはお分かりですよね。
その為に、まずは、家づくりのパートナーを見つけるのが先決かと。
長期優良住宅は後からでも遅くはないですよ、今すぐ決めなくても良いのでは?
「快適な良い家を考えていったら、おまけに長期優良住宅が付いてきた」が言う事無しですね。
- 宮本建築 鈴村さん
「長期優良住宅って何やねん・・・」
長期優良住宅の普及の促進に関する法律
第一章 総則 第一条目的にあるように
現在及び将来の国民の生活基盤となる良質な住宅が建築され・・・・
とあり、法律が始まります。
「長期優良住宅認定を受けてない住宅は長持ちせんのか?・・・・」
・・・・ね。紛らわしい名前ですね。
「なんで工事費が2割り増しになるんや・・・」
劣化対策・耐震性の確保・省エネ対策・維持管理や更新の容易性
が必要とされ、適材の使用が求められる為。
そして、申請等の事務緒経費の拡大が考えられるでしょう。
「長期優良ってことは、メンテナンス不要なんだろ・・・」
勘違いをしないでください。
国土交通省告示第二百八号には冒頭で
「いいもの作って、きちんと手入れして、長く大切に使う」と
あります。やはり、手入れはするものです。
「長期優良住宅にしたらエエ事あるんかよ・・・・」
ローン減税の対象控除額の拡大。保存登記等の税金軽減。
不動産所得税控除額の拡大。等があります。
「で、どないやねん・・・」
各メディア等で、このような長期優良住宅や、住宅向けエコポイント
の報道がなされた時、「新築で○○万円もらえます。」
という部分だけが、取り上げられ皆がそうなのかと思ってしまうのは
事実あることです。
実際もらえるのではなく、「支援」されるという事を理解してください。
工事費は普通に建てるより2割ほど割高になりますが、その分これだけ
国で支援しますよ。と詳しく伝えて欲しいものです。
「じゃあ、何の為の長期優良住宅なんだよ・・・・」
日本の住宅は近年、30年住宅と呼ばれています。
簡易的に建てられる工法等があり、そして、誰もが持つ夢
「いつかは新築の家に住みたい」があるからではないでしょうか。
欧米諸国の住宅寿命は非常に長く、長ければ長いほど家賃も高い
アパートも多いです。
そういった背景を元に、日本でも家を「資産」として考えることし、
ノンリコース・ローンやアシューマブルローン等の構築に向けた
動きの始まりと考えるべきでしょうか。
「じゃなんで、あの会社が、長期優良住宅を進めたんだ?・・・・」
多分、流行だからだと思います。
うちの会社は、経済状況を常に把握しすぐに提案実行できますよ。
という、アピールなのでしょう。実際どこまで法律を把握し
遵守できるのかはわかりません。一時期「ロハス」という言葉を
住宅業界はこぞって使いました。今となっては・・・
「持続可能な・・・」という意味ではなかったのでしょうかね。
「メリットってどうなんだよ・・・」
メリットはあります。それはもちろん。
しかし、初期投資に対するキックバック相当かどうかは不明です。
長期だけに長期的計画でなければいけないのでしょうか。
- ホームサポートFP事務所 山北さん
長期優良住宅にすると確かに費用はかかりますが、
国交省の政策により、施工会社への補助金が100万円交付されますので
その範囲で施工できる工務店で建設すれば
税制の優遇と長期優良住宅の恩恵がただで受けられます。
補助金を受けられる条件は、直近過去3年の平均建築実績が、
年間50棟以下であることなどありますが、 補助金の範囲内でおさまると聞いています。
今年は1事業者、年間5棟までです。(10月1日まで受付)
実際に、提案している会社に伺いました。
年間50棟以下であることなどありますが、 補助金の範囲内でおさまると聞いています。
今年は1事業者、年間5棟までです。(10月1日まで受付)
実際に、提案している会社に伺いました。
税制上の優遇は、住宅ローン減税が、1%→1.2%や
建物の固定資産税の1/2軽減が3年→5年や登録免許税の軽減などがあります。
また、住宅ローンの金利優遇など住宅取得者のメリットは大きいと思います。
詳しくはこちらをご覧ください。
長期優良住宅普及促進事業実施支援室
-
川崎建築設計室 川崎さん
長期優良住宅で建てるメリットとして考えられるのは、下記のようになります。
■「フラット35S」の金利引き下げ制度
長期優良住宅であれば「フラット35S(20年金利引き下げタイプ)」に申し込むことができる。
長期優良住宅であれば「フラット35S(20年金利引き下げタイプ)」に申し込むことができる。
3000万円を35年ローンで借入れた場合、通常のフラット35に比べて約383万円も得になる。
http://www.flat35.com/
http://www.flat35.com/
■「木のいえ整備促進事業(長期優良住宅普及促進事業)」
長期優良住宅の認定を受け、所定の手続きを行なうことで100万円の助成(一般型)が受けられるというもの。
長期優良住宅の認定を受け、所定の手続きを行なうことで100万円の助成(一般型)が受けられるというもの。
さらに、構造材の50%以上に地域材を使うことで、さらに20万円の助成(地域資源活用型)を受けられる。
(但し大手住宅会社は対象外となるので要注意)
http://www.cyj-shien22.jp/index.html
(但し大手住宅会社は対象外となるので要注意)
http://www.cyj-shien22.jp/index.html
■住宅ローン減税
所得税控除額(住宅ローン減税)の拡充。通常の控除率に比べて0.2%高くなる、3000万円借りた場合で約6万円控除される程度。
所得税控除額(住宅ローン減税)の拡充。通常の控除率に比べて0.2%高くなる、3000万円借りた場合で約6万円控除される程度。
■今後の中古販売などの際に「長期優良住宅の認定」が価格に反映されることが考えられる。
■技術基準によるメリット
1.耐震対策等級2
構造計算では建築基準法に定める地震力の1.25倍の耐力が得られる。安全を金額に換算することはできないが、より安全で安心。
1.耐震対策等級2
構造計算では建築基準法に定める地震力の1.25倍の耐力が得られる。安全を金額に換算することはできないが、より安全で安心。
2.省エネ等級4
1例として(某雑誌による資料)
省エネ等級4を確保。断熱効果による暖房費の削減が可能。
「一般的な家」の「1年間の暖房費用」は約60000円
「等級4の家」の「1年間の暖房費用」は約48000円
その差額は約12000円
(試算条件):
・建築条件 延べ床面積114.7㎡(約35坪)の木造2階建て
・暖房想定条件 ヒートポンプエアコン
・暖房設定温度 20℃(就寝時18℃)
省エネ等級4を確保。断熱効果による暖房費の削減が可能。
「一般的な家」の「1年間の暖房費用」は約60000円
「等級4の家」の「1年間の暖房費用」は約48000円
その差額は約12000円
(試算条件):
・建築条件 延べ床面積114.7㎡(約35坪)の木造2階建て
・暖房想定条件 ヒートポンプエアコン
・暖房設定温度 20℃(就寝時18℃)
3.その他、劣化対策等級3、維持管理等級3
劣化対策等級:木材の腐朽など、建物の劣化を軽減するための対策の手厚さを評価するもの。
劣化対策等級:木材の腐朽など、建物の劣化を軽減するための対策の手厚さを評価するもの。
等級3は「構造躯体が3世帯(75年〜90年)もつ程度の対策が行なわれているもの」
維持管理等級:排水管・給水管・給湯管・ガス管の日常における維持管理(点検・清掃・修繕)のしやすさを評価するもの。
維持管理等級:排水管・給水管・給湯管・ガス管の日常における維持管理(点検・清掃・修繕)のしやすさを評価するもの。
等級3は「構造躯体と仕上に影響を及ぼさずに配管の点検、清掃が行なえ、構造躯体に影響を及ぼさずに配管の補修がおこなえるもの」(分かりやすく言えば、排水管が詰まったとき、床下のコンクリートをはつったりしなくても修理できるようにすること。)
以上ですが、技術基準に関しては、本当にそこまで必要なのかと思われる内容もあります。