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建築工学科だった遠い昔・・・

ちょうどバブル絶頂期で

イタリアなんかのデザイナーが作った

建物が流行でした。

非日常的空間が良しとされていたように思います。

大きな建物に興味の無かった当時の私。

なのに、なぜ「中村好文」という建築家の建物に出会っていなかったのか???

自分の勉強不足を数十年経って

改めて思い知らされる昨今です。(-_-;)

(名前くらいは知っていましたが~ねぇ)

写真しか拝見したこと無いのに

なぜだか居心地の良さを体感しているような錯覚。

「デザインしましたっ!」と出娑婆らず、

でも考えつくされている住宅。

そんな中村氏が「住宅」についての想いを

書かれた本です。

(本文より~)

この住宅には、

空間の劇的な効果より気さくな居心地のよさが、

目を見張る独創より穏やかな平凡が、

空虚な整頓よりは美しい散乱が、

つまり、

建築家の「作品」よりは

住み手のための「家」であることがふさわしいと、

僕には思われた。

中略

要望事項をよく検討し、

可能な限りそれをクリアしておくことや、

それが建築的にも

バランスよく収まっていなければならないことは当然てすが、

それ以上に

「言葉にのりにくい潜在的な希望にもどれだけ応えることができたか」が、

プロとして僕たちの本当の勝負どころといえるでしょう。

(~引用終わり)

住宅についてのコラム的な文章だけでなく

実際に施主の方とのやり取りの文章もあり

とても好感が持てました。

「普段着の住宅術」

中村 好文【著】

王国社【出版】

1800円

2002/4

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