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知人の古民家リフォームを手伝うことになった。
かやぶき屋根の一軒家 ではなく
人口4万人弱の市の中心部に立つ
築90年の木造2階建て、瓦ぶき。
1階150㎡、2階100㎡、計250㎡
4か月前まできれい好きなおばあさんが住んでいたそうで、
外も中もそのまま住めそうなぐらい、生きている。

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骨太ではなく田舎の商家風。
6帖の玄関ホールの奥に10帖+10帖の和室。
2間の床の間+床脇、1間の書院。
青銀の聚楽壁、丸窓があったり、
幾何学模様の欄間だったり、凝りに凝っている。
ふすまの引手も、チョーかわいい。

リフォームだけど、
漆塗りの竿縁天井、解体していいものか?
格子細工の建具、取っ払っていいものか?
庶民には手が届かない職人技の一品。

ところでこの数寄屋風な趣味って90年前のもの?
それとも4,50年前のもの?

幾度となく増築しているだろうし、
改築もあったはず。
建てた当初はどうだったか?

車、炊飯、洗濯、服、暖房、電気、電話、ガス、
給排水、どんな生活だったのか。

少なくとも玄関には土間空間があったはず。
囲炉裏はなくてもどこかにかまどはあったはず。

変化を繰り返す築90年の建物の残すべきは、骨格のみではないか?
と考える。
チャラチャラした欄間や丸窓は撤去してもいいのではないか?
思い切って天井落として、梁、柱をみせるべきではないか?

古民家に住むのではなく、
古い民家を施主風にアレンジしてして、
住みやすくする。

古民家リフォームの見学会に何度か行ったけれど、
みんな同じに見えてどれもピンとこない。
という施主。

うるしの竿縁天井にレンジフードつけて
オープンキッチンどうですか?
青銀の聚楽塗りの床の間を
水色の珪藻土塗りにして
ギャラリスペースにするのは?

いろいろ思う秋です。
深い深い・・・。

では、またね。

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